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2019.11.04|バイオ 
DNAはどうやって集めるの? — 遺伝子工学実習見学

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 2019年9月13日
恒例の遺伝子工学実習見学が行われました。
バイオテクノロジー学科の1年生が、2年生(遺伝子・生化学コース)の「遺伝子工学実習」を見学・体験します。
 
1年生は「遺伝子工学」という授業で、“生命の設計図”である遺伝子と、それを取り扱う技術について学んでいます。
 
しかし「見えない・さわれない・色も匂いもない」。それが遺伝子!
はたして遺伝子を実際にどんなふうに取り扱うのか、授業で学んだことはどんなふうに実践されているのか?
それを確かめに行ってきます!
 

当日の8時55分。
まずは教室で白衣を着て名札をつけます。気合いは十分。
「これが今日の実習の手順書です。」と配られたのは・・・全文英語のプリント!
 
「Preparationってなんだ?」
「あ、oralって口のことだね。」としばし盛り上がり。
例年、1年生は この英文プリントに「びびる」のですが、今年の1年生は意外と平気。
これは頼もしい!
 
はやる気持ちを抑えつつ、実験室に移動します。
名札が美文字だったS君を「挨拶委員」に任命。元気よくあいさつをして入室です。
 
まず最初に、担当の鈴木先生が実験の目的、手順を説明します。
この手順書に書かれた内容は実習2回分に相当するものでした。
今日は1回目、「ヒト口腔粘膜上皮細胞からのDNA抽出」。
 
私たちの口の中にある粘膜の上皮細胞(頬の内側の細胞)は、絶えずはがれ落ち、唾液の中に混ざっています。
 
頬の内側を綿棒などでこするとネバネバした液が採れます。
これをスライドグラスに塗りつけ、酢酸オルセインやメチレンブルーという染色液で染めて顕微鏡で観察すると粘膜上皮細胞の姿が見えますよ!
 
この細胞を集めてDNAを取り出すのが今日の目標です。
次回は取り出したDNAの一部分をPCRで大量にコピーし、電気泳動で結果を確認します。
 
 
ホワイトボードに書かれる説明や注意点も英語混じりなので、1年生は聞き逃さないよう必死でメモをとります。


 
2年生もメモをとっていますが、余裕しゃくしゃく。
試薬の名前や操作(混ぜる、冷やす、洗う、ピペットで吸い取る など)といった実習で使われる英語は繰り返し出てくるので、半年もたつとだんだんと慣れてくるのですね。
 

 
説明を聞き、小休止をはさんで実験にとりかかります。休憩中も2年生は次の仕事に備えて準備をしています。実験をスムーズに進めるには段取りと準備が大事です。


 
 “DNAサンプル”を提供したのは2年生の男女1名ずつ。
薄めの塩水でクチュクチュと口の中をゆすぐと もう口腔内上皮細胞が採れています!

      
   
次は塩水の中にただよっている細胞を集めるために遠心分離という操作をします。
遠心分離器があるのは隣の実験室。こちらでは食品コースの実習が行われています。
(山崎先生が実習の説明中。今日は滴定をするようです。)
 

 
遠心機の使い方を確認し、セットして待つこと5分。
取り出すと、濁っていた液体が透明になり沈殿ができています。
細胞の回収に成功!
上澄みをそっと捨てて、底に沈殿した細胞の塊をほぐし、取り出します。
 
 
次に集めた細胞の細胞膜を壊し、細胞の「中身」を取り出します。
細胞膜を壊す(溶かす)のは界面活性剤。洗剤に含まれる成分です。
 
遺伝子を扱う実験に欠かせないのが、わずかな量の液体を測ることができるマイクロピペットという器具。
 

 
必要な試薬の量に合わせて目盛りを調整し、先端のチップは1回使うごとに捨てていきます。
1年生もマイクロピペットに触れたことはありますが、改めて使い方を習いました。
 

 
マイクロピペットを使うときはチップだけを液体に差し込むのですが、勢い余ってピペット本体まで「ずぼっ」と行くことがあります。
そんなときも鈴木先生は怒らず、対処法を教えてくれます。
何事にも失敗はつきもの。だいじなのはそこからどうやってリカバーするか。
 
測りとった液体を入れる試験管も、とても小さなものです。
エッペンドルフチューブといいます。


 
 
涙一滴にも満たない微量な試薬を慎重に混ぜ、ボルテックスミキサーを使ってよく混ぜます。
ボルテックスとは「渦」という意味。
試験管をうまくミキサーに当てることができると、中の液体がきれいな渦を作ります。


 
よく混ざったら、「サーマルサイクラー」にセットして2時間、反応が進むのを待ちます。
この機械は時間と温度をセットすると、設定時間だけ、温度を保ってくれるものです。


 
ここからはしばらく待ち時間。
しかし、空いた時間は有効活用します。
 
1年生はボルテックスミキサーにチャレンジしたり、マイクロピペットを使ってみたり・・・。
 
さらに2年生が1年生に実験器具の洗い方を伝授しました。
これは毎年お決まりの、もはや「洗礼」とも言える指導。
1年生が洗った(つもりの)器具が、2年生の目からはまったくお話にならないことを思い知らされます。
スポンジと洗剤と流水で、ガラス器具の表面に水滴がつかなくなるまでこすります!


 
1年生も洗ってみます。
これまでの洗い方を痛烈に反省しつつ、洗い物も実験の成否に関わる大事なものであることをしっかりと心に刻みました。
 
これにて見学は終了。
あっという間の2時間でした。
終わってほっとした表情の2年生です。


 
1年生の感想は
・難しそうだが、来年が楽しみ。
・プリントが全部英語で驚いた
・実際に見ることができてよかった
・洗い物がこんなに大変だったとは・・・!
などなど。
 
みなさん、お疲れさまでした。
来年、いまの1年生が成長した姿を見られるのが楽しみです。
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