今年の宿泊実習~大雪編~
こんにちは。自然環境学科の竹田です。
ついに札幌にも雪が降りました。
厳しい冬は最も北海道らしく、楽しみも多い季節ですが、
ついつい春が待ち遠しくなってしまいますね。
野外実習で、頻繁に森や川に足を運ぶ自然環境学科ですが、
これまで本格的な登山をした事がありませんでした。
普段観ることができないものを観てもらいたい・・・という竹田の思いつきで、
1・2年生全員で花の百名山 富良野岳に登ることになりました。
7月某日
富良野岳には2日目の午前中に登り、夕方には札幌に戻るという弾丸日程、
まずは美瑛町までバス移動です。
今回の登山実習では、三木昇先生に講師をお願いしました。
三木先生は植物の専門家で、自然ガイドとしても有名な方です。毎年、植物の実習を数回担当して頂いています。
高速道路に入ったところで、三木先生がおもむろに車内マイクを手に取りました。
そして、バスが高速走行する中、道路脇に立つ樹木を瞬時に識別し、解説が始まりました。
樹木だけでなく、その土地の地形の成り立ち、さらには高速道路を下りて三笠市を通って富良野に向かったのですが、かつて炭鉱で栄えた三笠市の歴史などを、まさにガイドされました。
そのお話にただただ聞き入るばかりで、これがガイドの真髄だと思いました。
さて、富良野に入ると、田園風景が広がってきます。
ラベンダー畑が目当ての観光バスも多く見られました。
前方にそびえるのが十勝岳連峰の山々。
宿泊施設(国立大雪青少年交流の家)に到着、昼食後、夕方まで少し登ることになりました。
その前にちょっと観光気分で・・・
美瑛町白化アルミニウムを含む水中でコロイド(化学の授業で習います)ができ、
光の散乱、吸収によって青く見えるそうです。
今や有名な観光スポット、たくさんの観光客が来ていました。
バスで途中まで移動し、十勝岳の中腹に当たる望岳台(標高930m地点)まで
登ることに。
前方に見えるのが十勝岳、火山活動が続いているため緑が少ないです。
雄大な大自然という言葉がぴったりな眺め。
汗が出るくらいの気温でしたが、7月にもかかわらず望岳台の近くではまだ雪が残り、
みんな手に取って涼んでいました。
初日の夜は、地質図を使って、地質と植生の関係や富良野岳で見られる高山植物の講義を受け、
翌日の登山に備えました。
2日目
青少年施設ではおなじみ、朝のつどいとラジオ体操。
この時点で雲行きが少し怪しかったのですが・・・
富良野岳の登山口、十勝岳温泉(標高1,280m地点)に着く頃には本格的な雨となってきました。
天候を見ながら、とりあえず行ける所まで登ることに。
雪解け水が流れる涸れ沢を渡ると、富良野岳の登山道へ。
何ヶ所か雪渓を登っていきます。
気をつければ滑り落ちることはありませんが、慎重に歩を進めます。
結局、昼頃、風雨が強くなり、昼食もそこそこに下山することになりました。
天候が良く、山頂近くまで登ることができれば、もっと様々な高山植物のお花畑が観られたのですが、今回は少し残念な結果となってしまいました。
厳しい条件の中、足を捻挫したり、風邪を引いたりと、良い思い出ばかりではなかったようですが、都会の生活では得がたい事を得てくれているはず・・・
例えば、
・山の天気(自然)は変わりやすく、厳しいことを体感
・つらい状況でも自分の力で歩みを進めなければならない事
・互いに励ましあうことの大切さ
・世の中、楽なことばかりではない事
などなど。
社会人として強く生きていくために、これからも心身ともに成長してくれることを期待しています。
次回、日高編に続く