忍路臨海実習前半組 その2
こんにちは。海洋生物学科の馬場です。
さて、今回は忍路宿泊実習の前半組の2日目です。
翌朝、ウニの最後の観察を終えると、学生が最も楽しみにしているであろう磯採集をしました。
胴長を穿き課題の動植物を網で捕まえます。
朝から雨で波も少しあったので心配でしたが、波が少し弱まり晴れ間も見えてきたので、短い時間ですが磯採集を行うことに。
しかし、浅瀬といっても危険がたくさんあります。
底はほとんどが砂ですが、岩が点在していて躓いて転びかねません。
岩やテトラポッドの上は滑りやすいので慎重に移動します。
例年転ぶ学生がいるので、こちらも注意深く見守ります。
注意事項を聞いたら、自分のサイズの胴長を穿いて海に繰り出します。
磯採集は、5つの門の動物と3つの綱の海藻を採取するという課題があります。
何人かが、小さな魚を一生懸命採っていたのが印象的でした。チカが群れを成していたようです。
魚ばかりに気をとられて、他の門の動物や植物を取り損ねた学生もいましたが。
なかなか難しいですが、どうしたら効率よく課題を成功させられるかを今のうちから考えるようにすれば、
社会に出たときに役にたつでしょう。
採ってきた海藻は標本にします。
形として実習の思い出に残るのは良いですね。きれいな標本になりそうです。
磯採集を終え昼食を食べた後に向かうのは、おたる水族館です。
水族館の裏側のバックヤードの見学をさせてもらいます。
まずは飼育員さんの説明を受けながら回っていきます
ここからはバックヤードです。
まず見せて貰ったのは海獣の餌の魚と瓶で育てている動物プランクトン。
魚を飼育する仕事では、生餌の準備はもちろん、動物プランクトンも飼育することがあります。
私も魚を育てる仕事をしていたので、よく育てていました。
これは濾過槽。魚の入った水槽の水を、濾過槽を通してからまた水槽へと戻します。
前の職場で、年に一度濾過槽の大掃除をしていたのを思い出します。
1年生は物理濾過や生物濾過について覚えているようでよかったです。
バックヤードツアーの魅力は、高い所から魚を見下ろせることにもあると思います。
こちらはチョウザメ。2m以上の個体が悠々と泳ぐ姿は、横から見るよりも迫力がある気がします。
私の場合、落ちたらどうしようというドキドキも大きな魅力に感じます。
下の写真は小型のサメ。こちらでは小型のサメに触れます。
学生も授業で教えたサメの鱗の種類を覚えていました。
学校で習った知識がこういう場で再確認できるのも校外実習の魅力です。
このあと、水族館の説明を聞き、自由見学をした後帰路につきました。
日ごろの授業で習ったことを覚えていて、授業をした甲斐がありました。
教える側からすれば、これほどうれしいことはありません。
授業で教えている知識は、テストで良い点をとるためのものではありません。
テストで良い点数をとっていても、実際に魚を育てる実習をすると、水替えを失敗し死なせてしまう学生もいます。
知識が生かされていないのです。
もちろん、良い点数をとることも大事ですが、その知識や覚えるための苦労を社会に出たときに役立てるためのものです。
その知識を仕事に応用し、学生のうちに勉強や学校生活において嫌なことに耐えられる力をつけて、社会に出て欲しいと願っています。
次回は名簿の後半組の実習の様子を紹介します。
お楽しみに!