臨海実習その1
背中に鉄板が入っているかのようになりました。
入っている訳もないので、温泉に入り、マッサージをしてもらい、
強力シップを貼ったら、人間の肩に戻りました。
関節じゃないから、四十肩ではないと信じています。
お元気ですか。海洋生物学科の岡本です。
さて、先日、1年生は臨海実習に行ってきました。
ネットや図鑑では体験できない、それが臨海実習。
海の匂いや波、生き物の質感、色んなものが二次元に勝るのです。
まず、実験の諸注意や、器具の使い方を聞きます。
毎年、臨海実習の時期は肌寒いくらいなのですが、
この日、札幌では30℃を超えたらしく、
小樽も猛烈に暑かったです。
北海道とは思えない気候ですが、海日和ともいえます。
本日のメインディッシュ。
いえ、実習の主役、キタムラサキウニ。
食べたら美味しいんでしょうねぇ。
殻長を計測するために、棘を切っていきます。
岡本も経験した事がありますが、結構切るので、
指が痛くなるほどの重労働です。
速いと30分ほどで、
五放射相称の構造が分かるほどになります。
ノギスで殻長を計測したら、
口器であるアリストテレスの提灯を引っこ抜きます。
アリストテレスってなんで有名なんだろうと、学生みんなで調べて、
結局、凡人には理解できないほどすごいんだということだけが分かった、
あの歴史上有名な古代ギリシャの哲学者に由来します。
引っこ抜いた穴を上にして、海水を入れたビーカーにウニを置きます。
やがて、放卵と放精が始まりました。
薬品を入れるのですが、今年はウニの状態が良く、
入れなくても放卵する個体もいて、発生を見るのが楽しみになります。
受精卵。
命の誕生です。
卵割し、2細胞、4細胞と変化していきます。
続きは入学後のお楽しみ。
学生たちが実習しているこの建物。
北大の臨海実験所です。
毎年お借りしていますが、
歴史的に古い建物で、験潮場は100年以上の歴史を持っています。
忍路湾はそれほど大きな湾ではありませんが、
土日にしょっちゅう行っている岡本は、
外海が荒れていても湾内が結構静かな事を知っていて、重宝しています。
また、
夕日がきれいな場所でも知られていますので、
海洋生物に興味がなくても、ぜひ訪れてみてください。
さて、みるみる細胞分裂するウニに目が離せませんが、
ある程度発生が進むと、少し観察に余裕が出る時期があります。
そんな時、さすがは海洋生物学科の学生たち。
夜釣りに勤しんでおりました。
岡本はこの間、灯火採集でプランクトン狙い。
この一年、クラゲが湧くべき時期に見られなかったりと、
海がどうなっているのか気になっていましたが、
プランクトンも毎年見られるものが少なかった気がします。
さて、翌日は、磯採集。
天候は磯日和になるでしょうか。