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バイオ

バチルス菌の“アミラーゼ”と“プロテアーゼ”

微生物を扱うためには
まず、培地を作るところから始まります。
 
いつもは調整済みの乾燥培地を使いますが
今回は 酵素の作用が見てわかるように
“デンプン”や“スキムミルク”を加えた培地を準備します。

 
適正なpHに調整して、オートクレーブで滅菌し、

 
クリーンベンチ内で 培地を分注し
しっかりと冷やして培地を固めます。

 
デンプンが含まれている培地と
スキムミルクが含まれている培地のそれぞれに
バチルス菌をライン状に移植しました。

 
数日後・・・
 
スキムミルクが含まれている培地は
スキムミルクで 培地が白く濁っていましたが
 
バチルスの生育している周りが
透明になっています。

 
スキムミルクが分解されて
培地にクリアな部分ができています。
(黒マジックは、菌の接種ラインを示したもの)
 
一方、デンプンを含んだ培地には
ヨウ素溶液を加えて、デンプンの分解を確認しました。

 
シャーレ全体は、ヨウ素デンプン反応で紫色の陽性ですが
菌の生育している周囲は、透明になっています。
 
学生たちは、微生物の作用に感動していました。
 
実は、デンプンを分解する“アミラーゼ”や
スキムミルク(タンパク質)を分解する“プロテアーゼ”
などの 微生物が作る酵素は
私たちの生活に活用されています。
 
今回の実験は、納豆から分離した菌を使いましたが
 
例えば、洗濯で使われる“酵素入り洗剤”には
納豆菌の仲間であるバチルス菌の
“プロテーゼ”が使われているんですよ。