流氷の天使
料理の隠し味の話をしたら、1年生の表情が微妙になりました。
「普通に料理の話しをしてるだけでしょ? なんでクスクス笑ってるの?」
と聞いたら、「先生、まともなご飯も食べるんですね」と言われました。
もう、何とでも言ってください・・・
お元気ですか。海洋生物学科の岡本です。
さて、オホーツク海に流氷がやってきました。
ということで、網走に行ってきました。日帰りで。
日曜なんかまで網走に留まって、万が一、ブリザードになったら、
月曜日に学校に来られませんから、土曜日だけの日帰りです。
この時期、網走や紋別では、
流氷をカチ割りながら進んでいく流氷砕氷船なる観光船も出ますね。
もちろん、岡本の目的は、
流氷船に乗ることではなく、流氷を見ることでもなく、
流氷と共にやってくるクリオネの採集です。
流氷の天使とか、氷の妖精とか言われますよね。
英語でも、Sea Angel(シーエンジェル)って言うみたいですよ。
数年前、流氷が来たら、浜でクリオネが採れるらしいという噂を聞き、
タモ網と胴長だけ持って網走にクリオネ採集に行ってから、早、3年。
今年は天候、クリオネ密度ともに最高の条件でした。
1年目、胴長をはいてタモ網を持って海に浸かっていると、かけられる声は、
「何されてるんですか?」でした。
2年目、同じ格好でかけられた声は、「クリオネですか?」でした。
格段に、クリオネ採集は風物詩化していると実感。
3年目の今年、「採れますか?」ときました。
もはや、クリオネを省略してもお互い話が通じるレベルに達しています。
あぁ、早くクラゲ採集もこうなれば、岡本も学生から変人扱いされなくなるのに。
学生に見せるだけ採れればいいので、そんなに大量に採りませんが、
ハス氷が近づいて来なければ、バケツ一杯に採れただろうくらい、
海にはクリオネがたくさんいました。
早く入学体験会でも、高校生に見せたいものです。
いちおう、1年目のクリオネは冷蔵庫で1年半生きてくれたのですが、
何せ生き物のこと、どうなるかは分かりません。
見たい方はお早めに!
そうそう、唯一、網走らしさを手に入れたといえば、
お手洗いに寄った道の駅で購入した、
お菓子くらいでしょうか。
そういえば、観光、してないなぁ。
今度、流氷船、乗ってみるかな。
もちろん、クリオネも採りますが。