「擂り(すり)」が出来上がりの全て
昨年、ミズクラゲのプラヌラ(卵の次の段階)を手に入れ、
大量のポリプにし、温度調整した結果、
夢のエフィラ(ちっちゃいクラゲみたいな感じ)が手に入りました。
クラゲ、ウハウハ生活の始まりです。
お元気ですか。海洋生物学科の岡本です。
さて、2年生は水産食品学という授業を受けていますが、
先日、魚肉から蒲鉾を作ってみました。
水産食品の加工は伝統的なものが多く、
加工工程の全てにおいてメカニズムが完全解明されていないものもあり、
とても面白い分野です。
何より、手作業ですべての工程を体験することは、
すり身の変化などを実体験できて、さぞや勉強になることでしょう。
まずは、器具を洗うところから。
続いて、半身のマダラの身を剥いていきます。
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ここで、骨や血合いが入っていたら品質に関わりますし、
反対に、贅沢に身を皮に残してしまうと、歩留まり(ぶどまり)が悪くなります。
歩留まり。「ほどまり」ではありませんよ、W林くん。
採肉を終えると、水晒しします。
魚肉臭を取ったり、筋などを除去しますが、
晒しすぎると旨みが逃げていくので、少々の時間で。
晒し終えたら脱水し、
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空擂りです。
顔を真っ赤にして擂っていますが、塩が入っていませんので、
まだまだ序の口。
各班とも必死に擂っていますが、蒲鉾は擂りが命。
岡本も、より良い蒲鉾が出来上がるよう、
ちんたら擂っている班に檄を飛ばしました。
いよいよ、格段に擂りが重くなる、塩を添加。
卵白も使いますので、余った卵黄は、
美味しくいただいた学生もいるようです。
塩擂りは空擂り以上に重いので、擂る方だけではなく、すり鉢を支える方も大変です。
調味も終え、擂りあがったら、
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蒲鉾板に板付けします。
大胆な人、細やかな人、性格が出てました。
板付けが終わったら、
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ラップで包んで1時間ほど寝かせます。ここで、昼休憩。
ふと見ると、板に付けきれなかったすり身を、
魚型に加工している班。
カレイ?ヒラメ?縁側も付いていました。
苦心のハート型も。
学生の遊び心と努力がセットになると、楽しい時間が生まれます。
蒸しあげて、
冷却したら、
いよいよ試食。
無事、魚型も蒸しあがり、
S藤くんが三枚に下していました。
職員室や事務室でも、
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たくさん試食していただきました。
さららに、市販品との食べ比べもしてみました。
これまで、授業の中で、
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色んな蒲鉾を試食しましたが、
今回、自作の蒲鉾と比べるのは、
一板千円の高級板かまと、写真にはありませんが88円の板かまです。
概ね、88円には勝ったけど、千円はさすが!といった感想だったでしょうか。
最後に、仕入れ値と作業時間、作業人数から、一板の値付けをしてもらい、
班員の時給を割り出してもらいました。
3班、時給70円はないよね・・・
2年生は1年生の頃に比べたら、確実に成長が感じられ、
特に、年末あたりから実感していますが、
今回も、全員が作業したり、声をかけたりと、いい雰囲気でした。
一部、退化しているんじゃないだろうな、と思う行動もありますが、
卒業までまだありますので、気のせいと思わせてください。