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自然環境

知床実習2日目

【20170620】
さて、知床実習のメインコンテンツです。

今年も知床財団さんに世界遺産である知床の自然、その保護と管理についてレクチャーしていただきました。

今は国立公園となっているここも昔は開拓地、切り開かれて農地となっていました。
知床での自然再生の目標の一つはこの放棄された農地をもとの森林に戻すこと。
しかし障害が……
 
増えすぎたシカがせっかく植えた木々の苗を食べてしまいます。

草花も食べてしまうため、草地もシカが食べないササやワラビばかりになってしまっています。
 
そのため、シカの数をコントロールする必要があるのです。

高い金網の柵が見えますか?防鹿柵(ボウロクサク)といいます。
冬期間に餌を求めてやってきたシカをここに追い込み、

一頭ずつここで捕獲します。
 
知床は自然が大変豊かな場所ではありますが、一部では大きく人の手が加わった場所でもあります。
これをもとの姿に戻すにはさらに人の手を加えなければならないというジレンマがあります。
 
 
午後からは別な場所を散策。古い開拓跡地と幻のポンポロ沼を求める散策です。

ポンポロ沼には入り込む河川などはなく、春先の雪解け水が残る時期しか現れない幻の沼、はてさて出会えるのか。

 

ヒグマの気配も濃厚な知床。知床半島だけで600近く生息しているそうです。


木の根元が畑のように耕されていますが、これはヒグマがセミの幼虫を求めて掘り返した跡。
機械を使って掘り起こしたかのようなパワー。この労力の分だけセミの幼虫を食べられるのだろうか。


糞にもしっかり残っています。
生々しい痕跡を見るとドキドキします。
 

S君後ろ―!


開けてきました、ここか?
 
ドーン。
 
……草むら。
間に合いませんでした。すでに干上がっていました。

かろうじて残っていた水たまりには逃げ場を求めたオタマジャクシがうじゃうじゃ。


これは立派なミズナラですが中身は人が入れるほどがらんどう。しかし立派に生きています。
人は中身が大切なんて言いますが、樹木は外側が大切なんです。