発酵食品の不思議
「バイオテクノロジー」と聞くと
“遺伝子組換え” だとか
“再生医療” などと
新しい時代の技術 というイメージを
持つ人も多いかもしれませんが
“カビ”や“細菌”や“酵母”を利用した
発酵・醸造技術もバイオテクノロジーです。
1年生の微生物学の座学で
より深く 発酵食品について学ぶ授業がありました。
発酵食品は 食品そのものから
旨味や風味を増加させるだけではなく
栄養価が上がったり、期待できる作用があったりと
私たちのカラダに良い影響も もたらしてくれます。
蒸煮大豆に細菌(Bacillus natto)で発酵させた
一般的な“糸引き納豆”と異なる
保存性の高い「大徳寺納豆」は
カビ(Aspergillus oryzae)を使って発酵させ、
塩水に混ぜ入れて乾燥させたもので
ネバネバではなく、コロコロしています。
1粒食べてみると、かなり塩辛く
食感は 干し柿のような弾力がありました。
お茶漬けに入れたり、炒め物では少量を混ぜるそうです。
“くさや”にチャレンジした学生は
「嗅覚が戻らない・・・」
「1日分の体力を使った!」
と、香りの奥深さを実感していました。
後半は、様々なチーズを試食・比較しました。
「カマンベールは普通においしい」
「ブルーチーズは、カビが少なければおいしさ発見」
「ゴーダ―チーズで やっとおいしく感じた」
など。
そして、用意された飲み物も
バイオテクノロジーが関わっていました!
右側は、おなかの調子を整える作用がある
乳酸菌(Lactobacillus casei)が入った飲料です。
左側は牛乳ですが・・・
牛乳を飲んでお腹がゴロゴロする原因の“乳糖”を
微生物が作る酵素(ラクターゼ)で
“ブドウ糖”と“ガラクトース”に分解した
お腹の調子を気にせずに飲める、特別な牛乳です。
微生物のはたらきが これほどまでに
私たちの食生活を豊かにしているのか、
発酵食品の不思議な世界について
身をもって理解することができる授業でした。