擂りが命
学生が「今日は先生不機嫌だから、いらないことすんなよ」
とクラスメイトに言っていました。
それ、あなたが原因ですよ。I橋くん。
お元気ですか。海洋生物学科の岡本です。
さて、先日2年生は水産食品学の一環として、かまぼこを作りました。
前回は、調理色が強い燻製でしたが、
今回のかまぼこは加工原理を肌で感じられます。
そう。かまぼこの真髄「擂り」の作業で、塩を入れたらね。
まず、骨抜きで粗方大きな骨を抜いていきます。
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続いて包丁で身をこそぎます。
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この時、叩きにすると擂る時に滑らかなすり身が出来上がりません。
今年の学生は人の話を聞かない学生が多いので、
いきなり削ぎ切りを始めたりしてヒヤヒヤしました。
軽く水晒しをして、
ガーゼで脱水します。
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この時、絞りが甘いと肉重量の計量に影響しますので、しっかりと。
そして、いよいよ擂ります。
まずは、空擂り。
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擂ると、身に弾力が出てくることが実感できます。
ここでへこたれているようでは、次の作業で死にますよ。
15分くらい擂ったら、塩を入れて塩擂りです。
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塩擂りするとゲル化が進むので、擂る作業は格段に大変になります。
すり鉢を支えている人も必死です。
この、擂りの作業を怠ると、かまぼこの命である「足」と呼んでいる弾力が出ません。
1班には筋肉隆々のK島くんがいるため、とんでもない擂りを見せつけていました。
他の班への出張講義もしてもらい、「おぉっ!」と賞賛を受けていました。
必死で15分擂ったら、調味しながら擂ります。
ここで、肉重量に対してのパーセントで調味料を入れていきますので、
計算を間違えるととんでもない味のかまぼこになります。
そして、板付け。
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職人さんのようにはいきませんが、
すり身の空気を抜きながら、丁寧に板付けします。
ラップで包んで、坐りの工程。
1時間かけますので、ここでお昼休みです。
昼食後、
蒸しかまぼこにします。
途中で蓋を開ける学生がいましたが、
家で調理しているのではありませんから、
温度が下がるとよくない結果になることをお忘れなく。
蒸しあがったら、
火戻り防止のために、流水で冷やします。
いよいよ、試食。
自分たちで作ったかまぼこ、他の班のかまぼこ、
そして、
市販の100円のかまぼこ(右)と1000円のかまぼこを食べ比べてもらいました。
学生たちのコメントでは、やっぱり1000円のかまぼこが一番美味しかったようです。
教職員の先生方にもご試食いただきました。
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結果、1班と3班が同数票の得票でした。
2班は正直、甘い味が気になったのですが、
みりんの配合計算、間違ってませんよね?
調味料を入れた後、すり身がびちゃびちゃだったのも気になりますし・・・
岡本的には、みんな楽しみながら、加工原理が実感できるよい実習だったとは思いますが、
今回に限らず気になることといえば、みんなが洗い物をしたり、作業をしている時に、
しゃべったりして手伝わない学生が毎回同じ顔触れとしていることでしょうか。
それ、社会に出て、ふとした瞬間に出ますよ。
残り少ない学生生活、今のうちに自覚してくださいね。