豊平川さけ科学館採卵実習
こんにちは。海洋生物学科の馬場です。
さて、秋の終わりごろ、1年生は豊平川さけ科学館へ採卵実習に行きました。
北海道といえばサケ。秋になると長旅を終えたサケが生まれた川に帰ってきます。
海洋生物学科では、毎年秋になると豊平川さけ科学館にお願いしてサケの採卵実習をさせてもらっています。
北海道民でも、サケの採卵や人工授精はなかなか体験できないです。
まずは外に出てサケを網ですくいます。大きな網を使うので二人一組でサケを捕まえます。
1組目のI君とS君。素早く動き回るサケに悪戦苦闘です。しかし見事にすくいあげました。
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サケは採卵しやすいようにその場でしめます。I君が木の棒を使いサケの頭を叩きます。
2組目はM君とW君。道東出身のW君は地元ではよくサケを釣っていたそうで、しめるのにも慣れています。
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川を上るサケは釣ってはいけないため、ブナケのサケを間近で見る機会も少ないです。
2組が捕まえたサケはどちらも雄です。雌は飼育員さんが人工受精を行う実習館に用意してくださいました。
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実習館に運んだら飼育員さんの説明を受けます。
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まずは溯上したサケの大きさと重さを測ります。
測る場所とその長さの呼び方、みんな覚えているようです。3尾いるので3人がそれぞれ測ります。
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いよいよ雌のお腹から卵を出します。飼育員さんが持っているのはお腹を切る道具です。
卵を傷つけないように慎重に歯を動かします。
するとサケの卵が溢れるように出てきました。オレンジ色に輝いています。
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これを一人ずつ手で掻き出していきます。このときも卵を潰さないように慎重に扱います。
鹿児島出身のO君は、ひょっとしたら丸ごと1尾のサケを見るのは初めてかもしれません。
掻き出した卵は鳥の羽を使いやさしく洗面器に移し、そこに精子をかけ鳥の羽で混ぜていきます。
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これを水につけておきます。
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今度はピンセットで3尾それぞれの鱗を取ります。これがかなり難しいです。
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取った鱗を顕微鏡で観察します。何をするかというと、鱗に刻まれた年輪を数えてサケの年齢を確かめます。
小さな鱗が見えるようにプロジェクターで拡大してもらいます。
飼育員さんが棒で示しながら説明してくださいました。この作業は長年の経験がないと判断が難しいですね。
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最後にサケの解剖をして下さいました。鰓蓋を切り取ると、鰓弁がきれいな赤に染まっています。
学生は鰓の構造も覚えているようです。
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帰りに通路の水槽を見ると、雌が底を尾鰭で掘るしぐさをしていました。
新しい命へと繋ぐ準備をしているようです。
1年生はこれで校外実習は最後です。また来年度が楽しみですね。
今回のそれぞれの作業は、やりたい人が自ら手を挙げて志願して行いました。積極的な姿勢も働くのに必要です。
多くの場合、活発な学生が手を挙げますが、今回は普段おとなしい学生も自ら志願していて成長を感じました。
「どうしようかな」と考えているなら行動に移す。その姿勢が大事です。
実習は特に他では体験できないことがたくさんあるので、今後は自ら一歩を踏み出してくださいね。